蛙と蝸牛

本と映画の感想

2025-05-01から1ヶ月間の記事一覧

世界の貧困に挑む(慎泰俊 岩波新書)

世界の貧困に挑む(慎泰俊 岩波新書) 貧困層のための小口の金融サービス(マイクロファイナンス)についての歴史と現状と課題を記した入門書。 マイクロファイナンスというと、ノーベル賞を受賞したムハマド・ユヌスのグラミン銀行が展開したマイクロクレジ…

ぼっちのアリは死ぬ(古藤日子 ちくま新書)

ぼっちのアリは死ぬ(古藤日子 ちくま新書) 著者は、アリなどの昆虫の活動について遺伝子レベルでの解析などを中心に行う研究者(日子はあきこと読む)。 タイトルはあざとい(出版社側が主導して決めたのではなかろうか、と疑う)と思う。しかし、巣から離…

熟柿

熟柿(佐藤正午 角川書店) 田中かおりは、ケチで気難しいので有名だった晴子伯母さんの葬儀に出席する。葬儀のあとの食事で親戚一同は酔っ払って葬式の後とは思えないどんちゃん騒ぎになる。かおりの夫(警察官)も酩酊して、大雨の中かおりが運転して帰宅…

生きとし生けるもの

生きとし生けるもの 作家の成瀬(渡辺謙)は末期がんで入院中。担当医の佐倉(妻夫木聡)に楽に死なせてほしいと訴える。佐倉は、その望みを叶えてあげる、と、成瀬を連れ出すが・・という話。 脚本は北川悦吏子。エッセイも上手で、時折日経新聞に寄稿され…

東京焼盡

東京焼盡(内田百閒 中公文庫) ”本物の”空襲警報が初めて鳴った昭和19年11月から昭和20年8月までの間の、東京都心近くの様子を綴った日記。 警戒警報と空襲警報が発報された時間帯を克明に記録しているほか、勤務先(郵船)への出勤状況や食料等の調…

背高泡立草  港たち

背高泡立草 港たち(古川真人 集英社) 長崎五島の離島における吉川一族の物語。 私小説みたいな内容で、登場人物の一人 吉川稔が著者本人にあたるようだ。 「背高泡立草」(芥川賞受賞作)の方では、今は誰も住んでいない島の納屋の草刈りに、(吉川家の姉…

遠くまで歩く

遠くまで歩く(柴崎友香 中央公論新社) 森木ヤマネは小説家。少し前に7年間すごした夫と離婚していた。感染症の流行で外出や会合が難しかった時期、森木は、写真や映像から想起される情景を描写することを主な活動とする勉強会?のオンライン会合にコメンテ…

夏目アラタの結婚(映画)

夏目アラタの結婚(映画) 児童相談所の職員の夏目アラタ(柳楽優弥)は、連続殺人事件の被害者の子供から、事件の犯人で収監されている品川真珠(黒島結菜)に会って、殺された父親の首の行方を明らかにしてほしいと依頼され、興味半分で面会する。真珠は逮…

新幹線大爆破2025

新幹線大爆破2025 東京から新青森に向かうはやぶさに爆弾を仕掛けた、解除してほしければ1000億円払えという犯行声明が発せられる。声明で爆弾は時速100キロを割ると起爆する、と宣言されており、運転士の松本(のん)と車掌の高市(草彅剛)は指令通り時速…

クラーク・アンド・ディヴィジョン

クラーク・アンド・ディヴィジョン(平原直美 小学館文庫) 1944年、日系二世のアキ・イトウは、日系人収容所から出て両親とともにシカゴに住むことになる。先に出所してシカゴに住んでいた姉のローズは、地下鉄のクラーク・アンド・ディヴィジョン駅で電車…