蛙と蝸牛

本と映画の感想

2024-11-01から1ヶ月間の記事一覧

残月記

残月記(小田雅久仁 双葉社) 月にまつわる幻想譚の中編を3つ収録。 「そして月がふりかえる」は、突然自分の身代わりの男が出現して、家族全員が自分を他人だと認識していることを知った男の話。 「月景石」は、仲がよかった叔母からもらった風景石(模様…

こちらあみ子(映画・小説)

こちらあみ子 映画・小説(今村夏子・ちくま文庫) 小学生のあみ子は、落ち着きがなく、学校にも行ったり行かなかったり。父はやさしいが、自宅で習字教室を開く母はどこか他人行儀。その母が妊娠して弟か妹ができることになるが・・・という話。 映画を見て…

勁草

勁草(黒川博行 徳間文庫) 橋岡はオレオレ詐欺集団の一員で主に受け子の統括を担当していた。知り合いの矢代が刑務所から出所してきて二人で暴力団が仕切る賭場で大きな借金を作ってしまう。二人は詐欺集団のリーダー格の高城からカネを引き出そうとするが…

なずな

なずな(堀江敏幸 集英社) 菱山秀一は45歳独身で地方紙の記者。弟夫婦の生後2ヶ月の娘なずなを(夫婦が病気や怪我で育児できなくなったので)預かることになる。未経験の乳児の世話に苦戦するが、新聞社は時短&在宅を認めてもらい、近所の医者やいきつけの…

パリわずらい 江戸わずらい

パリわずらい 江戸わずらい(浅田次郎 集英社文庫) 浅田さんの作品で初めて読んだのはエッセイシリーズの「勇気凛々ルリの色」。主に作家になるまでとなりかけのあたりの経験を綴ったものなのだけど、これが滅多やたらに面白かった。その後、「蒼穹の昴」を…

夜明けのすべて(小説)

夜明けのすべて(小説) 映画を見た後に読んだ。映画は原作にかなり忠実に作られていた。違うのは主人公たちが勤務する会社の業種くらいだった。 映画もよかったけど、原作は一段と素晴らしかった。 映画だと、主人公ふたりの間に多少の恋情があるという雰囲…

ファーストラヴ

ファーストラヴ(島本理生 文春文庫) 女子大生の聖山環菜は父親殺しの容疑で捕らえられ裁判を控えていた。臨床心理士の真壁由紀は、その事件を描いたノンフィクションの執筆を依頼されて環菜と面会するが、環菜の供述は面会のたびに異なり・・・という話。 …

団地のふたり

団地のふたり(藤野千夜 双葉文庫) 桜井奈津子と太田野枝は同級生で幼なじみ。古ぼけた団地に住み、野枝は奈津子の部屋にいりびたる。 奈津子はかつては人気イラストレータだったが、今は注文もまばらで、オークションサイトで近所の人から不用品売却を請け…

ミッキーマウスの憂鬱

ミッキーマウスの憂鬱(松岡圭祐 新潮文庫) 21歳の後藤大輔は、ディズニーランドのバイトに採用されて、キャラクターの衣装(かぶりもの)の装着補助や管理を行う部署に配属される。配属に不満を持ちつつも働き始めるが、ミッキーマウスの衣装が紛失すると…

台北プライベートアイ

台北プライベートアイ(紀蔚然 文藝春秋) 劇作家で大学教授の呉誠は、よくある中年の危機?に陥り教職をやめて下町で私立探偵を開業する。といっても知識も経験もないのだが、最初の仕事(浮気調査)はそつなくこなす。呉の近所で連続殺人事件が起き、呉は…