2016-01-01から1年間の記事一覧
ヒーローインタビュー(坂井希久子 角川春樹事務所) 仁藤全(あきら)は、ドラフト下位指名で阪神に入団。二軍では打ちまくるが、一軍にくると考えすぎて成績があがらない。彼を見出したスカウト、彼の高校時代のチームメイト、地元の床屋の訳アリの女店主…
天使と悪魔(ダン・ブラウン 角川文庫) ヨーロッパの科学研究組織が反物質の生成に成功するが、それを何者かに盗まれてしまう。反物質は適切な管理をしないと核爆発並の反応を起こしてしまうのだが、それがコンクラーベ真っ最中のヴァチカンに持ち込まれた…
火星に住むつもりかい?(伊坂幸太郎 光文社) 平和警察という組織は、いいかげんなタレコミをもとに無実の人を拘束しては拷問して不実な自白をさせ、国家への反逆者に仕立て上げては公開処刑でギロチンにかける。 妻を病気で亡くして自暴自棄に陥っていた主…
君の名は。 新海監督の過去の作品はだいたい見ています。 いずれも叙情的なムードが強く、ストーリー展開はとてもゆっくりなので、今回のようなメジャー級作品ではどうかな? なんて思っていましたが、本作では、登場人物が考えこんじゃうようなシーンや風景…
羊と鋼の森(宮下奈都 文芸春秋) 主人公の外村は、高校時代に学校のピアノの調律に訪れた調律師(板鳥)の腕前に魅せられ、専門学校に入って、板鳥の所属する楽器店に就職する。板鳥のような調律師を目指すが、現実は厳しくて・・・という話。 あとがきを読…
神の棘(須賀しのぶ 早川書房) ヒトラー全盛期の頃、SSにあってカトリック教会弾圧で頭角をあらわしたアルベルトは、女優の妻とともにスパイの疑いをかけられ左遷され、アインザッツグルッペン(戦線の後方にあってユダヤ人虐殺やパルチザン撲滅に特化し…
ハドソン川の奇跡 2009年1月にニューヨークで離陸直後のバードストライクにより全エンジンが停止した旅客機が、機長(サレンバーガー(愛称サリー)=トムハンクス)の優れた判断と操縦によりハドソン川に不時着水し、その後の適切な避難指示により全員…
テニスプロはつらいよ(井山夏生 光文社新書) 日経夕刊の書評欄で褒められていてので、読んでみました。 さほど期待していなかったのですが、とても面白かったです。 関口周一という錦織選手とほぼ同年代(錦織の2歳下)のプロテニスプレーヤーの子供時代…
ブラック・スキャンダル アメリカ・ボストンで実在したギャング(バルジャー=ジョニー・デップ)をモデルにした映画。 イタリア系マフィアの撲滅をめざすFBIは(アイルランド系敵対組織のボス格である)バルジャーを協力者に仕立てるが、次第にバルジャーの…
ボクは坊さん。 主人公の実家は、国巡礼の札所のお寺。主人公は高野山で修業した後、書店に勤めていたが、現住職が亡くなって寺の跡継ぎになる。 寺には長老と呼ばれる檀家代表?がいるが、彼は主人公の資質に疑問を持っていて・・・という話。 高野山には学…
きみはいい子(中脇初枝 ポプラ社) 大都市郊外の桜が丘小学校を中心にして、児童虐待をテーマにした連作集。 ネグレクト、遺伝的?虐待(親に虐待された子供が自分が親になった時に子供を虐待してしまう)、しつけ・教育の行き過ぎ、といった様々な形態の虐…
折れた竜骨(米澤穂信 東京創元社) 12世紀終わりのイギリス、北海に浮かぶ小島:ソロン島の領主は、ヴァイキングの部族「呪われたデーン人」の襲撃に備えて傭兵を募っていた。 その領主は何者かに殺されてしまう。 「暗殺騎士」撲滅を目的として各地を巡る…
ザ・万字固め(万城目 学 文春文庫) 著者の小説は一つも読んだことがないのだが、朝日新聞の土曜版に連載されていた食に関するエッセイ連載(本書に収録)がとても面白かったので、本書の前作「ザ・万歩計」を読んでみたところ、これまた良かった(特にモン…
帳簿の世界史(ジェイコブ・ソール 文芸春秋) 複式簿記が、企業会計のみならず、国家財政の記録と財政状態の把握に果たした役割を様々な例をあげて検証する内容。 「会計が文化の中に組み込まれていた社会は繁栄する、ということである。ルネサンス期のイタ…
電車に忘れ物 今までに電車に忘れ物をしたことが4回ある。 1回目は読みかけの本がはいった小さなカバン(大阪の地下鉄) 2回目はスラックス。サイズ直しをしてもらって出来上がったばかりのものを網棚に置き忘れた(南海) 3回目はジャンパー。暖房がき…
砂の栄冠(三田紀房 講談社) 埼玉の樫野高校(公立)の野球部はそこそこの強豪校。 軟式出身の七嶋(キャプテン)は、同野球部の個人的支援者の老人からこっそり資金援助を持ちかけられ1000万円を受け取る。 その金で臨時コーチを雇ったりして実力をつけ、…
マネー・ショート サブプライムローンなどを原資産とした仕組債などの金融商品を(実質的に)空売りして、リーマン危機時に大儲けしたファンドマネージャ3組の姿を描く。 原作では(金融業と縁遠い人にとってはわかりづらい)仕組債などのカラクリの説明に…
ブリッジオブスパイ 冷戦期のアメリカで、ソ連のスパイをしていたアベル(マーク・ライランス)は、米当局に拘束され裁判にかけられる。 民主的な国であることをアピールしたい当局は、腕利きの弁護士ドノヴァン(トム・ハンクス)を弁護人に指定する。 ドノ…
鯨分限(伊東潤 光文社) 江戸時代に捕鯨で巨万の富を蓄えた紀州の太地家で、最後の捕鯨の棟梁となった太地覚悟の生涯を描く。 同じ著者の「巨鯨の海」は、同じく太地での捕鯨にまつわる短編集だが、これがとても良かった。それで本書にも期待したのだが、「…
シン・ゴジラ ロマンスはなく、家族愛もなく、友情もなく、格闘もない、モンスターに人々が追いつめられるようなサスペンスやパニックシーンもない。 極めてスローモーな動き(エネルギー補給のため、ゴジラが街中で数日間動かなくなってしまう!ほど)をす…
十五歳の課外授業(白河三兎 集英社文庫) 歯医者の跡継ぎ息子である主人公(中三)は、容姿や学業成績、スポーツ等すべてが人並みだが、なぜか学校一の美女で人気者の同級生が恋人。気まぐれな彼女をつなぎ止めるために、主人公は様々な努力を強いられる。 …
漁港の肉子ちゃん(西加奈子 幻冬舎) 小学生の主人公(喜久子)は、シングルマザーの母親(菊子。太っているのでニックネームは肉子という)の男遍歴に従って様々な地域を転々とする。母親は何もかもおおざっぱで男ぐせも悪いが、人好きのする性格でどこに…
ガソリン生活(伊坂幸太郎 朝日文庫) 望月家のマイカーは緑色のデミオ。人間は気づいていないが、車は知能を持ち車同士でおしゃべりや情報流通をすることもできる。緑デミオを普段は隣家のカローラ(通称:ザッパ)と雑談をして過ごしている。 望月家では、…
ビッグデータ・ベースボール(トラヴィス・ソーチック 角川書店) 2013年のシーズン、それまで20年以上シーズン負け越しを続けていたピッツバーグパイレーツは、過去のデータ分析から得た情報を重視した戦術を採用し、さほどの戦力補強もなしに所属地区2…
新徴組(佐藤賢一 新潮社) 清河八郎に連れられて京都に行ったものの、何もしないうちに江戸に戻った浪士たちによって結成され(そのまま京都に居ついた人が作ったのが新選組)庄内藩預りとなって江戸の治安維持にあたったのが新徴組。新選組とは知名度が違…
殺人者たちの午後(トニー・パーカー 沢木耕太郎訳 新潮文庫) 沢木さんの新刊は(翻訳書も含め)たいてい読んでいるのですが、本書は、単行本が出た時は気づいていませんでした。今回文庫にはいって書店でみかけて買いました。 イギリスでは殺人罪が確定す…
教場(長岡弘樹 小学館) 警察学校を舞台に、学生が抱える様々な問題をベテランの教官が解決していく中で、日常の謎系の謎解きをするミステリ。殺人事件がおきたりするわけではないが、非常に厳しい規律のもと、いつクビになるかわからない緊張状態がうまく…
ユニヴァーサル野球協会(ロバート クーヴァー 白水社) サイコロで一球ごとの結果を決める架空野球ゲームに熱中する主人公は、(そのゲーム中で)大活躍していた新人投手がゲーム中にビンボールに当たって(そういうサイコロの目が出て)死亡したあたりから…
言ってはいけない(橘玲 新潮新書) 行動遺伝学における知見をもとに、題名通り公には口にするものはばかれるような人間の本性?を語るエッセイ集。 知見をもとに、といっても(著者の他の作品でもよくみられるように)いろいろな本から得た(普通の人にとっ…
叫びと祈り(梓崎優 東京創元社) 斉木というジャーナリストがサハラ砂漠、スペイン、ロシア、アマゾンなどに取材で訪れる先々で殺人事件に巻き込まれ、その解決を迫られる・・・という連作集。 デビュー作らしい砂漠を舞台にした「砂漠を走る船の道」は動機…